晴読雨読、時々映画。シェルティ・ラズムと暮らす日々

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不思議な女心の話、2編の紹介です。

「ほかに誰がいる」朝倉かすみ 著

同級生の美しい少女に心魅かれていく主人公えりの話。
予備知識なしで読み始めたので、女子高生の淡い恋心の話かなと
思っていたら、とんでもない。
主人公えりがどんどん壊れていった。
その壊れ方がページを進むごとに狂気を含み、
加速して、おそろしさとおもしろさで一気に読んだ。
恋心とは言っても、「せつない」とか「やるせない」なんてものを
遠く通り過ぎて、ホラーのように恐い女心だった。
心のホラーとして読めば、おもしろい話だ。


(これはがらくたではありませんから…)

「がらくた」江國香織 著

海外のリゾート地で、出会った美しい人妻・柊子(45歳)と
美しい少女ミミ(15歳)を中心に物語が語られる。

江國さんのファンはいっぱいいるから、
あまりめったなこと書けないけど、
私自身は、最近は江國さん離れ。

最初のころの「きらきらひかる」や「流しの下の骨」とか
大好きなんだけど。

今回も精神的に非常に不安定な人がいっぱい出てくる。
精神的不安定な人を書かせたら、江國さんほど上手な人は
いないんじゃないかと思う。
言葉遣いも洗練されているし、
出てくる風景や家の様子お店など、頭に浮かんでくるのは、
とてもセンスの良いものばかり。

ただ、初期の頃の主人公には共感できたのに、
最近は、あまりにも生活感のなさに
「こんな人いないでしょう」と思ってしまう。
それは、江國さんの書く人物が変わったのか、
私が変わったのかはわからない。

出てくる男性も素敵な人(のはず)なのに、
誰とでも関係を持ってしまうような男性だ。
現実に、そんな男性がいたら、
それらしいいやらしいところが出るはずだと思うのに、
小説の中の男性は完璧だ。

最近の江國さんの小説を読んでいると、
あまりの生活感のなさに、
人間から尻尾がなくなったように、
モグラから目がなくなったように、
今の人間の中のある一部の感情が退化してしまった
未来の人間を描くSF小説を読んでいるような気がしてしまう。


(ぼくの大事なものなのだ)

途中から、どうして、江國さんは、
この小説に「がらくた」という題名をつけたのか
考えながら読んでいた。読み終わっても答えはなかった。
登場人物の生活なのか、登場人物が大切にしているものなのか、
この小説そのものなのか、
それを考えるとおもしろい小説だなと思う。


※ラズムは、このジャケットの取り外せる
フェイクファーの袖口が大好き。
まさに『がらくた』なんだけど、
ラズムの好きなものベスト5に入る
お気に入りなのだ。
いつもいとおしそうになめている。


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2007.08.28 / Top↑
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